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クロフネの種牡馬成績

クロフネ

AEI
1.31
CPI
1.21
AEI/CPI
1.09
勝ち上がり率
全体 : 42.5%
牡馬 : 43.8%
牝馬 : 41.1%
1頭あたり本賞金
全体 : 1741万円
牡馬 : 2000万円
牝馬 : 1472万円
クラシック出走率
全体 : 1.70%
牡馬 : 0.96%
牝馬 : 2.47%
牝/牡(1頭本賞金)
73.56%
2勝馬率
23.92%
セン馬率
5.06%

※ 中央(芝・ダート)、AEI関連は 2007〜16年産、他は 2003〜16年産、2018年9月14日現在の情報。
※ クラシック出走馬率は 2003〜14年産、10月08日現在。

現役時代は、芝・ダート両方の G1 を獲ったり、2着に 1秒以上の差をつけて重賞をレコード勝ちしたりするなど、他馬とは一線を画するレースでファンを沸かせたクロフネ。

その産駒も父ほどではないですが、競馬ファンを楽しませてくれています。

クロフネ産駒は、まず勝ち上がり率が高いです。

種牡馬リーディング上位なので当然ではありますが、ディープインパクト・キングカメハメハ・ハーツクライなどの一流種牡馬と、ヨハネスブルグ・ダイワメジャー・ロードカナロアなどの短距離馬に次ぐ数字です。

これはクロフネ産駒の距離適性にも関係があると思います。

クロフネ自身のミオスタチン遺伝子型はおそらく中距離が得意な C:T型だったと思われますが、そのためか産駒には C:C型のスプリント戦を得意とする馬も見られ、G1勝ちは 1200〜1600m に偏っています。

遺伝子的に短距離戦を得意とすることや、アメリカ的な早熟傾向があることから、2歳戦で早めに勝てるのだと思います。

1頭あたり本賞金も高く、亡くなったステイゴールドやマンハッタンカフェを抜かすと、リーディング万年上位のディープ・キンカメ・ハーツ・ダイワメジャーに次ぐ数字。とても良いです。

クラシック出走馬率は上位陣とくらべると見劣りしますが、牝馬は健闘しています。一方で、アエロリット・クラリティスカイの 2頭の NHKマイルカップ優勝馬を輩出しています。

そして、クロフネ産駒のいちばんの特徴は、牝馬がよく走るということ。

牝/牡(1頭本賞金) の 73.56% という数字は、データ不足で異常値が出ている可能性のあるオルフェーヴルとロードカナロアを除くと、1位です。

2位がダイワメジャーで、70%超はその 2頭のみ。ほかの種牡馬に大きく差をつけており、わかりやすいフィリーサイアーと言えると思います。

2勝馬率もとても高く、ディープ・キンカメ・ダイワメジャー・ハーツに次ぎます。早熟牝馬が 2歳戦で活躍して、勢いそのままに 3歳春までスプリントからマイルで活躍するようなイメージでしょうか。

クロフネは種牡馬としてはベテランの域に達していますが、これといった後継種牡馬がいないですし、個人的にはまだ活躍してほしいです。

クロフネのBMS相性

母父 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
Nureyev 4 8 50.0 5866 スリープレスナイト
Miswaki 6 7 85.7 3828
トニービン 23 49 46.9 3652 カレンチャン
ネオユニヴァース 6 13 46.2 3260 アエロリット
コマンダーインチーフ 4 6 66.7 2678
Fusaichi Pegasus 5 7 71.4 2649
Woodman 6 10 60.0 2464
サンデーサイレンス 152 297 51.2 2372 ホエールキャプチャ
Seeking the Gold 6 11 54.5 2309
フォーティナイナー 9 19 47.4 2299 テイエムジンソク
エルコンドルパサー 4 7 57.1 2145
メジロマックイーン 6 9 66.7 2062
バブルガムフェロー 7 16 43.8 2024
ブライアンズタイム 8 21 38.1 1750
スペシャルウィーク 14 32 43.8 1583 クラリティスカイ
サクラバクシンオー 2 10 20.0 1562
ノーザンテースト 11 28 39.3 1544
リアルシャダイ 6 9 66.7 1434
アグネスタキオン 21 49 42.9 1293 ジューヌエコール
Danzig 6 14 42.9 1260
ディープインパクト 4 15 26.7 1131
フジキセキ 27 66 40.9 1129 ホワイトフーガ
アドマイヤベガ 4 11 36.4 907
ダンスインザダーク 15 55 27.3 797
Caerleon 4 11 36.4 795
アフリート 4 12 33.3 633

※ 中央(芝・ダート)、2003〜16年産、レース機会 100以上の母父(BMS)、2018年10月8日現在の情報。

クロフネと BMS との相性を見ると、母父ヌレイエフ(Nureyev)と母父ミスワキ(Miswaki)が良績をあげているのがわかります。

ヌレイエフは 8頭で G1馬スリープレスナイトが出ていますし、ミスワキのほうは高い打率と打点を誇ります。しかしどちらも、すでに生きている繁殖牝馬がいないレベルかと思いますので、今後出資するチャンスはないでしょう。

同じ理由で、好相性のトニービンやサンデーサイレンスの牝馬も珍しくなってきていますが、高齢とはいえまだ生きている繁殖牝馬が数多くいます。

勝ち上がり率や 1頭賞金が高く、そして重賞ウイナーも数多くでているこの 2頭の母父との組み合わせには、今後も注目するべきでしょう。

その際は母が高齢となるので、個人的な出資基準のストライクゾーンからははずれるのですが、あまり産駒数が増えないであろうクロフネの仔に出資できるチャンスがあればしたいと思います。

若い母がいそうな母父で良績をあげているところでは、ネオユニヴァースやフォーティナイナーがいます。

どちらも少ない産駒数で重賞勝ち馬を出しつつ、それ以外の馬もしっかり勝ち上がっており、母年齢とのバランスで見るとそこらへんの配合で、募集総額の低い馬が出てきたら狙い目かもしれません。

クロフネの母父系の相性

母父系 勝上 総数 勝上率 1頭賞金 重賞代表
ヌレイエフ 7 17 41.2 3077 スリープレスナイト
ナスルーラ 63 139 45.3 2661 カレンチャン
シアトルスルー 6 16 37.5 1849
サンデーサイレンス 260 593 43.8 1809 ホエールキャプチャ
ノーザンテースト 13 32 40.6 1736
ミスプロ 96 204 47.1 1662 テイエムジンソク
ストームキャット 7 14 50.0 1579
トウルビヨン 8 17 47.1 1390
ロベルト 23 59 39.0 1286
ノーザンダンサー 36 113 31.9 1227
ダンチヒ 14 41 34.1 952
ロイヤルチャージャー 8 28 28.6 794
エクリプス 6 18 33.3 560

※ 中央(芝・ダート)、2003〜16年産、レース機会 100以上の母父系、2018年10月8日現在の情報。
※ 独自に系統を分類しています。大系統のデータに小系統のデータは含まれません。
※ 他ページではノーザンダンサー系のみニアークティック系に含まれています。

カレンチャンなどが出ているナスルーラ系との相性が非常に良く見えますが、前項で説明したトニービンの貢献が大きく、サクラバクシンオーはハズレっぽいので気をつけてください。

爆発力はないが安定感はすごくあるのがミスタープロスペクター(Mr. Prospector)系で、未勝利戦でヤキモキしたくないというときは狙うのが良いかもしれません。

同じくサンデーサイレンス系も安定感があり、かつ重賞勝ち馬も多数出ているのでオススメです。サンデー系と相性が良いのは当たり前な気もしますが、データ上そうなっているので触れておきます。

逆に危ないのは、ヌレイエフ系やストームキャット系を除いたノーザンダンサー系や、ダンチヒ系、サンデー系とロベルト系を除いたロイヤルチャージャー系です。

シアトルスルー系は、勝ち上がり率は高くないですが、ひとつ勝ってしまえば複数勝利する確率はそこそこ高い感じです。

クロフネ産駒の距離適性

距離 勝率 連対率
芝〜1600 8.14 15.85
芝1400〜2400 6.53 13.33
芝2000〜 6.26 12.70
ダ〜1400 9.06 17.51
ダ1600〜 9.49 17.40

※ 中央(芝・ダート)、2018年10月08日現在の情報。
※ 芝の距離区分がかぶっていますが、ミオスタチン遺伝子型の別による得意距離ごとに集計しているためです。

冒頭で述べたように、クロフネ自身のミオスタチン遺伝子型は中距離適性のある C:T型だと考えているのですが、産駒の芝での勝率は短距離に寄っています

相手牝馬がすべて C:C型(短距離適性)の場合に、ようやく C:C型が産まれる確率が 50% になり、もし牝馬の型がバランスよく分散していれば、産駒には C:T型が最も多くなるはずなので、すこし意外です。

もちろん遺伝子だけでなく、血統や気性、調教方法などによって距離適性は変わりますので、当たり前といえば当たり前なのですが、クロフネはダート2100 の G1 でぶっちぎった馬なのでステイヤーも見てみたいですね。

芝とダートで比較すると、ダートのほうが勝率が高いです。

クロフネ自身がスピードとパワーを兼ね備えた、JRA史上屈指のダート馬でしたから、業界関係者としてもダート的な配合と調教をほどこしているケースが多いのかもしれません。

T:T型の牝馬との配合が上手くいくかはわかりませんが、個人的には軽さとスタミナをもった T:T型牝馬との交配によって、強いクロフネ産駒があらわれたらおもしろいと思います。

この記事の作成日は 2018年10月10日 です。

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